客の悩みは別にある(メタ思考で解決)

メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問」を読んで、社内SEをしている中でも色々使える考え方が載っていたのでまとめていきます。

目次

1.メタ思考とは

この本では、メタ思考という考え方を提示していますが、どういうことかというと「現時点で見えている自分からの主観ではなく、距離を置くことで視野を広げ て自分を客観視する考え方」になります。

この考え方が出来るとどう変わるかというと、現時点では気づいていないことが気づけるようになります。なぜそうなるかは、一つ上の視点からみることにより問題が起きている発生原因が別のところにあることが分かるようになり、根本の問題が見えてくるようになるためです。

これは社内SEをしていて実感するのですが、ユーザー側がシステムで作成したい機能の要望が挙がってきますが、その機能を作成しても意外と根本の解決になっておらず部分的な解決にしからならないことがよく起きます。こういう経験を多くしてくると、正直ユーザー側の要望をそのまま鵜呑みにしないようになっていき、そもそものこの要望の背景はなんだろうという考え方になっていきます。
その考え方の一つの方法が次に挙げる考え方です。

2.WHY型思考

ユーザー側の要望を聞いた時に、この背景はなんだろうと思ったときこの機能は何故必要かということになります。その機能が必要な目的は何かということを確認する際にこの本に書いている「WHY型思考」というのが役に立ってきます。
やり方としては、単純に今起きている現象に対して何故(WHY)を繰り返していくことで上位の事象を探っていく方法になります。これは「なぜなぜ分析」とも呼ばれている方法かと思います。

このブログでも5 W 1Hで考えることを別件で載せていますが、この本でも同じような事例が載っていました。その中でも「Whyだけが 二つの間の事象の「関係性」を表す疑問詞で、他の疑問詞は属性をピンポイントに探るためのもの」や「Whyというのは現在と過去、現在と未来をつなぐ時間を超えるための手段」というのは印象に残り、WHYだけは別の次元に移動するための疑問詞というのには気づかされました。

またWHY型思考には弱点があると下記のように載せられています。
・「Why型思考は相手の依頼をすぐには実行せず、一度「立ち止まって」考えるという点で「時間がかかる」というのが一つ目の弱点」
・「二つ目の弱点は、「なぜ?」という問いかけは往々にして相手を不快にさせる」
時間がかかるというのは仕方がないと思いますが、2つ目の弱点は確かに相手に何故かばかり聞くと嫌がられます。ただ、やらないと背景や真の課題が出てこないので伝え方や自主的に考えさせるように上手く誘導するようなコミュニケーションも必要になっていくかと思います。

3.アナロジー思考

この本には、もう一つアナロジー思考という「ロジカルシンキング」とは逆の性質をもつ「飛躍を起こす」考え方が載せてあります。アナロジー思考は類推することであり、パクリとはまた違う考え方で現実に起きている事象を抽象化して、また違う世界(業界)に当てはめて具体化するような考え方になります。

例としては、最近「定額性の料金プラン」が流行っているようですが元々は携帯など利用されていたようなことが別の自動車業界でもサブスクリプションのモデルとして定額の料金を払えば新車が乗り放題のようなサービスが生まれる時に考える方法になります。

この考え方は、私は慣れていないのでこの本には色々問題が載せてありましたが中々答えは出ませんでした。(その分、考える価値が色々入っている本だとは思います。)社内SEとしても、このような考え方はどちらかというとかなり先の未来を想像して、今後起きる社会に備えて情報戦略を考えるのに必要な考え方と思います。かなり上位層で経営戦略や企画を考えるような仕事でないと使うことがないかもしれませんが将来を予測するのにはこの考え方はかなり使える気がします。当てずっぽうに将来を考えても何も出ないのならば、現在起きていることから類推して他の業態でも起きないかを推測し、将来の先を読むということは可能な気はします。

4.まとめ

この「メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問」は、大きく2つの思考方法「WHY型思考」と「アナロジー思考」が載っています。どちらも直ぐにその思考方法が身に着くものではなく、活用するには意識的に考えて実践しないと身に着かないと思います。

・「 WHY型思考 」は、現在の事象からWHYを繰り返して、別の事象や課題を探る方法。
・「 アナロジー思考 」は、現在の事象を抽象化して別世界で具体化するような考え方。さらに、共通点から抽象化し類推して未来を推測できる方法で把握してはよいのではないでしょうか。

またこの思考方法が出来るようになったころには、多分ひねくれた性格になっているかもしれません。この本の最後のほうにも書かれていますが、性格が悪くなるとあります。確かに素直な人や普通の人はこの考え方はしないでしょう。また将来AIに仕事を奪われるという将来を危険視する中でこの本では仕事を作り出す能力があれば仕事はなくならないというのは印象的でした。この本から学ぶことは多いので是非一読してみてください。