何が出来るかから考えると失敗する(理由と対策)

社内SEとして、仕事をしているとユーザーからの要望を聞くことがあるがよく何が出来るかから考えるメンバーやユーザーがよくいるなと思いました。ただ、これを多用するのは悪影響があると思ったので、その理由と対策をまとめます。
 

目次

1)何が出来るかから考えると駄目な理由

1-1)検証にも時間がかかる

 ユーザーからの要望を開発会社にそのまま伝えて、出来るかどうかを聞くことがあるが、開発会社側からするとその技術的な検証にも時間がかかります。依頼した側からすると大して時間はかからないが開発会社からはその検証分の費用はこちらからは払っていないケースがほとんどです。お金につながらないようなことを何度も依頼すれば、開発会社側からすれば工数が膨らむしスケジュールにも影響していいことはないです。

1-2)部分的な解決になりがち

 ユーザーから要望が出るのはよいがそれをそのまま社内SEが鵜呑みにするのは問題です。実は、困っていることは他にもある可能性があったり、その要望を対応しても部分的であまり効果的に利用されない場合が多いです。
 

1-3)何故必要か把握してない

 ユーザーの要望を聞いた社内SEは開発会社にそのまま伝えることが多いです。しかし、それだとただのメッセンジャーであって社内SEが仲介して依頼する意味があまり感じられません。この状態だと代替え案も提示できません。そんなことをしていると何のためにいるのかも分からなくなるので、開発会社にも社内SE側のためにも何故その要望が必要かの理由を深堀りして把握しておく必要があります。
 

2)防止策

1:ユーザーの要望に対しては何故必要か確認する

このブログでも度々でてきますが私がよく行うことはWHYで考えることです。言い換えると要望が何故必要かを確認することになります。何故必要かが分かっていれば代替え案を社内SE側から提示して、わざわざ開発する必要性もなくなる可能性があります。

2:その要望の機能が無かったらどうなるかを確認する

また私がよく行うのは極端に考えることです。
これは必要性を確認したり、優先順位を考えるのにも便利な考え方で、運用が回らないほどであれば対応が必要だし、それほど影響ないのであれば優先順位を下げるべきなのでまずはこの視点で検討してみて取っ掛かりを探してみましょう。

3: 運用フローをまとめる

ユーザーの要望をかなえた場合、他にも影響する場合があります。また一つの要望を依頼して、対応してもらっても他にも影響する範囲があるのでまた依頼するを繰り返していたら中々終わりが見えません。それを見落とさないためにも運用の流れを資料にまとめて誰にでも(特にユーザー)説明できるようにしましょう。

3)まとめ

社内SEとして、仕事をしていると何が出来るかを開発会社側に質問することはあるとは思いますが、こればっかりだと社内SEとしてのレベルも低く開発会社を振り回してしまいます。SEの仕事としてユーザーの要望の整理や優先順位、代替え案の提示をして交通整理するのも仕事なので、何が出来るかの質問の前に整理できるようにしていきたいものです。

この行動をしないのであれば役割としても必要ないですし、後でしっぺ返しをくらい本番稼働前や稼働直後にシステムの機能追加や変更が必要なことが多く出てくると思います。そして、また何が出来るかを聞くループが起こっていくでしょう。

また社内SEで考えての意見を上記でまとめましたが、これは一般的にもいえてどのようにやるかの手段から考えるのではなく、何故必要かから考えることでその次にとる手段が合理的で矛盾がなくなるので、思考の順番として身に付けていきましょう。